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    (マイケル ルーパー:ニューメキシコ州立大学乳牛普及指導スペシャリスト)
    (アリゾナ/ニューメキシコ デイリーニューズ 99年10月号)

    初めに:

    酪農経営で、牛群の繁殖成績の良し悪しは収益性にとって重要です。 人工授精は、今日の酪農経営で利用されている最も大事な繁殖技術の一つです。 人工授精によって牛同士に感染する性器絡みの伝染病の危険性を減らすことができますし、 牛群の成績レベルを高めるために優秀な種雄牛の遺伝子の使用機会を増やすことができます。

    スタンディング ヒートは、乳牛の排卵が近いことを示す最も信頼できる兆候です。 このような牛の発情の行動によっていつ種付けすべきかを決めることができます。

    ここに、受胎や妊娠へのチャンスが存在します。センガーは、1994年に米国の酪農業界では発情発見の失敗や誤診断で 年間3億ドル(330億円)の損失を蒙っていると推測しています。 生乳生産者が牛群の繁殖効率を高めるためには、正確な発情発見と適時の授精が最重要事です。

    発情:

    牛発情時の独特の行動は、脳内におけるステロイド ホルモンであるエストロジェン(E2)の働きによります。 1948年のトリンバーガーによる初期の研究によれば、乳牛の発情の持続時間は、1日3回観察する場合、 18時間を平均として2.5時間から28時間に及びます。無線遠隔操作法(商品名:ヒート ウォッチ)によって 発情行動を観察した最近の発見では、平均発情継続時間は7時間でした(ドランズ フィールドら1998)。 乳牛の発情には、経営面での数々の要素が影響しています。一つのペンに入れる牛の頭数を増やせば、 乗駕の回数が増えるし、発情継続時間も伸びます(ハーニックら1975)。土の上で飼養されている乳牛は、 コンクリート床の牛に比べて発情行動の回数が多く、且つ発情継続時間も長いのです(ヴェールズとブリット1990)。 気温の上昇等の環境要因は、発情行動を減少させます。1日2回観察の下で、気温が25℃以下の場合、30℃以上に比べて 乳牛の発情行動は最も盛んになります(グワズドースカスら、1985)。

    人工授精を成功させるには、適切な発情の発見が必須条件です。牧場で毎日2回(1回に30分)観察することで、 75から80%の発情は発見できます。もし、観察を一日3回にすれば85%の牛の発情を見つけることができますが、 これを4回にすれば発情牛の90%を見つけられます。発情発見を助けるために色々な道具が使われています。

    それらは、歩行計とか、カーマー(商標)パッチや、テールペイント、無線遠隔操作法などです。当然ながら視的観察だけや、 これら発情発見道具のみを使用するより、この両方を併用することで発情発見の効率を高めることができます。

    乳牛の排卵:

    排卵は、乳牛の脳下垂体から分泌される黄体ホルモンの作用で始まります。黄体ホルモン分泌に続き、 卵胞が破れ卵巣から卵子が放出されます。乳牛では、排卵は発情の始まりから大体28時間から32時間後に起きます (ウォーカーら、1996)。排卵で卵子が放出されて後、受胎できる状態は極めて短い時間です(表Ⅰ参照)。 最も高い受胎の機会は、排卵後6時間から12時間と見られています(ブラケットら1980)。 精子が繁殖器官内で生存できる時間は24時間から30時間と考えられています(ティンバーガーら、1948)。

    人工授精:

    あらゆる研究者が過去50年にわたり、発情とどのステージで種付けするのが最もよい結果に繋がるかについて調査をしてきました。 ティンバーガーが1948年に発表したところによりますと、排卵の前6時間から24時間の間に授精すると 受胎率が最も高いとされています。この早期の研究がAM-PMの考え方に繋がりました。

    この指導要項によれば、午前中に発情が見られた牛は、その日の午後の内に種付けすること、午後に発情の見られた牛は 次の日の午前中に種付けすることを勧めています。しかしながら、大多数の雌牛の調査から判ったのは、 このAM-PM法のやり方では、最高の受胎率は期待できないということでした。

    44,707頭の牛を対象とした大規模なフィールドテストでは、授精後150日目と180日目のノンリターン率で、 発情発見と同じ午前中に授精した牛とその日の正午から6時までに授精した牛、あるいは夕方発情のきた牛に 翌朝授精したものとの間に大きな差はありませんでした(フート、1979)。この調査で判るのは、 前日の夜か当日の午前中に発情のきた牛に当日の午前中に1回授精した場合、ほぼ最高の受胎率を示すということです。 同じように、午前8時から11時の間に1回種付けされた牛は、AM-PM方式で授精した牛と似たようなノンリターン率を示しました (ネベルら、1994)。

    バージニアの調査では、AM-PMの指導要項より早い時間に種付けすることを勧めています。 最高の受胎率は、発情発現後4時間から12時間の間に授精することで得られます(表Ⅰ、ドランスフィールドら、1998)。 これに対し、発情の発現から16時間以上経過して授精した場合、4時間?12時間後の授精と比較して受胎率は下がります。

    種付けはいつすべきか:

    伝統的なAM-PM法で授精すると、発情の発現後数時間経過した時点での種付けとなり、受胎がうまく行われる確率は下がります。 通常、正確な発情の発現は不明です。

    例えば、ある牛が午前1時に発情の発現をしたとして、午前6時に発見された場合、AM-PM方式に基づき、 その日の午後に授精すれば、発情の開始後17?18時間経過したことになります。 この時間帯に授精すると妊娠する牛の頭数は減ります(表Ⅰ)。

    一日2回、1回につき30分程度発情の観察に時間を使えば、発情中の牛の75?80%は発見できます。 環境や管理面のルーティーンが、牛の発情行動に及ぼす影響について正しい認識をもつことで、 発情発見の失敗や誤診断を最小にすることが可能です。正確な発情の発現が判らない場合は、 発情発見から4時間?16時間の間に授精すべきです(表Ⅰ)。日に2回の発情観察を実行すれば、 ほとんどの牛がこの時間帯に入る筈です。午前中かその前日の夕方に発情発見した牛には、当日の午前中に 1回授精すれば最高の受胎率が得られます。

    (表Ⅰ)発情後の異なる時間帯に授精した場合の
    乳牛の受胎率(ドランズフィールドら、1998)

    発情発現から授精までの時間 授精回数 受胎率(%)
    0 ? 4 327 43.1
    4 ? 8 735 50.9
    8 ? 12 677 51.1
    12 ? 16 459 46.2
    16 ? 20 317 28.1
    20 ? 24 139 31.7
    24 ? 26 7 14.3

    [発情の発現はヒート ウォッチ(商品名)、無線遠隔操作法で発見]

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