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    コムスター牧場
    "バランス ブリーディングの哲学の下で
    築き上げられた牛群"

    (ホルスタイン・ジャーナル誌 2000年6月号)

    コムスター牧場は、世界中で今日最も知られた牛群の一つである。ケベック州ビクトリアビルにあるこの牧場の成功物語は"ローリー シーク"一族による好成績だけによるものでなく、もっと幅広い基礎の上に立っている。24年前の質素な牧場の創設以来、場主マークとフランス コムトア夫妻、最近ではパートナーのフレデイ、ニコル、スティーン夫妻にとってこの牧場は常に活発な発展を続け現在に至っている。

    夢の実現

    コムスター牧場経営の中心人物でこの牧場を立ち上げたマーク コムトアは、24年間の発展の中核的役割を果たした。"ホルスタインこそ私の人生そのもの"と言う42才のマークは、自分で選んだ職業に対する情熱と喜びを発散させる。1985年にマスターブリーダー賞を受賞したコムトア ホルスタインを経営していた両親、エドガーとテレーズ コムトアの8人兄弟の一人であるマークはビクトリアビル郊外の農場で育った。彼とホルスタイン牛との恋物語は子供の頃にさかのぼる。「スクールバスで学校から戻ると、家に入る前に牛舎へ直行したのは8才か9才の頃からでした。」
    マークは15才で学校を辞め、家の農場で2年間働いた。ショーで"デラック牧場"や"クレールボア牧場"の手伝いをしたり、"クレールボア"で働いたりしながら、1976年にケベック州プリンスビルで自分の牧場を買った。最初は種系から始めたが、やがて12頭の純粋種を購入した。「当時、私は良い牛群と何頭かのショーカウを持ちたいと夢見ていました」と彼は言っている。

    翌年彼はフランスと結婚した。始めは、ケベック ホルスタイン協会の普及指導員であったレイモンド コリボーのような専門家に数々のアドバイスを受けた。コリボー氏は、コムスター牧場の記録の取り方や固体販売のやり方について指導した。
    指導員のアドバイスは牛舎内の牛のストール上にサインカードを掲示するなど極めて基本的なことも含んでいた。「私はノートに自分が買い入れた牛や販売した牛の明細を記録していました」と彼は話している。

    コリボー氏やその他の専門家は、カウ ファミリーの重要さを強調し、自分の改良目標を設定することをマークに進言した。しかしマークは、彼等が話していることが自分には理解できなかったが、彼は、セールカタログやホルスタイン ジャーナルを詳細に勉強し始め、先端をゆくブリーダー達が改良の為に何をしているかをノートに書きとめた。
    彼は、他の人達のようにセールに出向いて最高クラスの牛を買うほど金をもっていなかったので、各牛のペデグリーをつぶさに研究することはしなかった。「これは今も変わりありません。私はペデグリーを詳細に検討することはしません。私が牛を買う気になるにはその牛が好きにならなければなりません。」

    牛を見る鋭い眼を持っているマークは、どんな牛が欲しいかについて迷うことは決してなかった。「彼女はデイリーで、骨味が良く、乳房の質の良い牛でなければなりません。それに彼女は多量の生乳生産の能力を持っていることが重要です。何故なら、月末の支払いを賄う必要があるからです。」

    1987年、マークとフランスはビクトリアビルの父親の牧場を買い取り、それが現在のコムスター牧場である。それ以後、二人は毎日長時間一心になって働いた。マークは言う、「良い牛群を作り上げる情熱と夢を持っていました。その情熱は現在でもなくしていません。」1995年、長年の努力は、マスターブリーダー賞受賞として報いられた。

    1993年には、フレデイとニコル スティーンを新たにパートナーとして受け入れた。マークは、1988年ベルギーのショー会場で初めてフレデイに会った。スティーン夫妻は、ベルギーに75頭の搾乳牛を含む200頭のホルスタイン牧場を所有していた。フレデイは1975年にケベックを初めて訪ねて以来、いつかカナダに移住したいと考えていた。1992年の4月に、スティーン夫妻はベルギーの牧場を売り、カナダで購入すべき牧場を探しながら6ヶ月間カナダでの牧場生活を経験する為にコムスター牧場で働いた。
    スティーン夫妻の6ヶ月間は、コムトア夫妻と非常にうまく行ったので、コムトア夫妻は、スティーン夫妻にパートナーを組まないかと誘い、結局両夫妻はパートナーとなった。今日、この二家族のパートナーとしての強みの上に築き上げられた関係は非常にうまく機能している。経営の中でマークは、あくまでも"カウ マン"の役目を果たし同時に商売上の才能を備えている。フレデイは、牛舎、畑仕事、機械関係を担当している。フランスは、子牛の登録、牛群の記録、移動登録等を担当し、一方ニコルは、経理と経営管理の面倒を見ている。彼等と一緒に働いているのは、マークとフランスの4人の子供達、ジュリー、ジェシー、スティーブ、カサリーンとフレデイとニコルの二人の子供達ジェレミーとセリーヌ、それに数人の雇員である。「我々は良いチームです」とニコルは話しているが、彼女によると二組のカップルは毎週1回朝食時に集まり業務打合せを行っている。

    理論的バランス ブリーディング

    20年以上のホルスタイン改良において、マーク コムトアの改良哲学は決して変わっていない。長い間産次を重ねながら美しい体型を維持できる高泌乳牛を常に目指している。"コムスター ローリー シーク"のような遺伝能力の優れた一族は、この目標を達成する為のかなめである。
    「平均的な農家と良いブリーダーとの唯一の違いは、各雌牛に交配する正しい種雄牛の選び方にあると思います」と、常時自分の牛群に使用する種雄牛を探求しているマークは言っている。雌牛の系統に合う正しい雄牛を組み込む彼の能力は証明済みである。「雄牛を選ぶ時、彼の娘牛を先ず見てみたい。もし自分で見に行けぬ場合は、実際に娘牛を見た信頼できる人に良く話しを聞きます。娘牛を直接自分で見ることは非常に重要で、牛舎にいる雌牛の体型と自分の改良プログラムに使おうとする雄牛がうまく合うかどうか確認する必要があります。」

    新しいプルーフが出る度に、マークは数頭の優秀種雄牛を選び、次の数ヶ月間使う。同時に次回上位に来ると思われるヤングサイアを1頭か2頭試験的に使ってみる。雄牛を分析すのに、プルーフの成績をチェックするのみでなく、その牛が何処で生産されたか、父親はどうか、母方のファミリーはどんなかを見る。
    「使うことを決めるのには、その雌牛の血統が充分に気に入ったものでなければなりません。」マークにとって単純にLPIのランクが上位にあると言う理由だけでは不充分である。 彼はインデックスを全く無視する訳ではないが、非常に用心してインデックスを見るし、高乳量の雄牛は、体型と強さを伝達する牛を選ぶ。「インデックスを高めることは単純な作業で可能です。しかし、良い牛を作るにはそんな単純な作業ではできません。単に数字を上乗せすることより我々は正しい交配の結果、高能力と美しさを持つ牛作りの方が好みに合います。」

    コムスター牧場は、授精所に数多くのブルを販売しており、コムスターの冠名の付いた種雄牛の中に現在5頭のクラス エキストラ(娘牛の能力、体型共に証明済み)が居る。マークの推測によると、この5年間に年間平均して15?20頭のヤングサイアをカナダのAIに売っており、それ以外に3?5頭のブルを外国に販売している。現在、彼は牛群の1/3をコムスター生産の種雄牛に種付けしている。マークは数多くの優秀な種雄牛を繁殖したことを誇りに思い、それらを検定してくれたカナダのAIに敬意を表しているが、雌牛個体やカウファミリーに最も適する種雄牛を使うよりむしろ、数字合わせの交配に益々重点を置いてきているAIの姿勢を憂慮している。

    「カナダのAIがインデックスを単に道具として利用し、再びカウファミリーに重点を戻しつつある事実は認めるが......」マークは、時々カナダの人工授精所は、バランス ブリーディングの哲学である好体型で長寿で長期間大量の生乳を生産し収益を上げる乳牛の改良と言う基本線を忘れているのではないかと思うことがある。
    ホルスタイン種の能力は確かに大幅に増えたが、マークはその過程において、産次を重ねながら生涯、大量の生乳生産を可能ならしめるパワーと強さを失ったのではないかと考えている。同時に、AIの数は減り必要な検定頭数も少なくなっている今日、ブルマザーとしての可能性を秘めた雌牛が見逃されている。

    コムスターは、昨年より自分固有の後代検定事業を始めた。この事業のモットーは、"理論的なバランス ブリーディング"である。マークの説明によると、「私の生涯を通しての改良哲学は、バランス ブリーディングである。この前に"理論的"と付け加えたのは、牛の改良は単純な数字合わせやコンピューターではじき出せる性格のものではない。その考え方に理論がないといけない。」
    コムスターでは、年間3頭のヤングサイアを検定しており、精液の配送はシーメックスが担当することになっている。シーメックスとの取り決めは、検定牛の所有権はコムスターが持ち、広告や宣伝はコムスターが行う。一方シーメックスは、有償で精液の生産と配送を受け持つというものである。

    販売促進

    皆に認知される牛群を作り上げるには時間が掛かり、人が認めてくれるのも一晩でかなうものではない。「ベッドに横になりながら眠れない夜が何日もあった」とマークは回想する。

    マークとフランスは、一度彼等の販促が非常にうまく行き結果的に世界中に多くの個体と受精卵を販売した実績を分析して幾つかのキーになる要素を挙げてみた。
    コムスター牧場の収入の2/3は遺伝子の販売によるが、

    • チャンス到来の時は、それを最大限に利用すること。牛がエクセレントになった時とか、オールカナディアンになった時とか、大記録を作った時は、そのニュースが新鮮な内に最大限他の人にそれを知らしめる。
    • 牛はつねに綺麗にし、訪問者がいつ現れてもそれに備えておくこと。
    • 一般的な広告,宣伝の機会を利用し、全ての広告の中で次のセールの宣伝をして、読者が牧場に行こうと思う動機付けをすること。
    • 良い牛の写真を沢山撮ること。
    • ショーに出すこと。
    • 自家セールか他人のセールに委託することは、自分の牛群に顧客の注意を引き付ける上で極めて有力な方法であり、これを通して国内外のブリーダーと接触を持つこと。
    • 販売した後も、顧客と連絡を維持すること。

    コムスターの販促プログラムの中で、ショーは当初から非常に重要な役目をしており、今まで彼等は、ケベック州の大きなショーで何回もプリミアム ブリーダーやプリミアム イグジビターのバナーを手に入れている。
    コムスターは、20のオールカナディアンをノミネート(指名)され、結果的に4回のオールカナディアンと2回のオーナラブルメンションを授与された。オールアメリカンは7回ノミネートされ、2回のオールアメリカンと1回のリザーブと2回のオーナラブルメンションを授与された。ブリーダーズハーズ(牛群賞)は2回オールカナディアンにノミネートされ、1994年に1回オーナラブルメンションを受け、1989年には、母系群のオーナラブルメンションを受けた。

    コムスター牧場の遺伝子を確立し拡播する上でETの技術は重要な役割を果たした。 マークは、ローリー シーク一族のメンバーには多くの牛が育成時にフラッシュを掛けるなどしてET技術を非常に手広く使った。コムスター牧場のETプログラムが成功し一族の頭数が順調に増えたので1989年と1996年に牛群セールを行った。この二つのセールは、ケベック州内で当時のセールで平均価格の最高を記録した。もう一度、今年の11月5日と6日にセールが予定されている。商才に長け、革命的な考えのマークは、牛の販売や他の遺伝子の拡販の為に新しい手法を試みることを躊躇しなかった。例えば、現在では数カ国で手数料ベースでコムスターの為に働いてくれる人間を代理人として置いている。また最近では自分独自の輸出会社を作り、海外の顧客に牛の輸送を始めた。しかし、"セール後のサービス"が、彼が最も重要視するテーマである。バイヤーは、自分の商品を買ってくれた日のみの友人ではなく、その後もずーと友人であるとマークは言う。事ほど左様にバイヤーに対して求められればいつでもアドバイスや指導を行う。

    成功へのカギ

    コムスター牧場での毎日は皆多忙である。マークは牧場にいる限り毎朝の搾乳をするし、世界中を販売の為に旅行して牧場の宣伝をしたり、多くのミーティングで講演をしている。審査に関しては、カナダ国内では1999年のローヤル ウインター フェアのホルスタインショーを含め多くのショーで審査員を勤めているが、国際的にはオーストラリア、イタリア、米国、フランス、英国、ブラジル等で審査し、今年は日本、スペイン、アルゼンチンで予定が入っている。
    コムスターでは2年前に新しい牛舎が完成した。新牛舎の主要部は90mの長さがあり、タイストールで104頭の親牛がゆったり入れるようになっている。60m長のT字型牛舎の頭部分には、哺育、育成、分娩やショウカウの牛房がある。またこの部分に、綺麗なオフィスとトロフィーやバナー等の飾り棚がある。これ以外の二つの別棟に4?18ヶ月令の育成牛やレシピアントが入っていて、近隣の別牛舎には育成牛が入っている。牛群は、現在8頭のエクセレント、46頭のベリーグッド、37頭のグッドプラスの牛で構成され、1999年牛群平均の能力は、12,204キロM 3.8% 460キロF 3.3% 404キロP(BCA 274-281-285)であった。

    ここまで経営を拡大し、多様化してきたのでマークは、これで将来両家族の子供達が経営に加わっても充分仕事ができる場所があると感じている。彼は将来を考える時ローリー シーク一族のどの枝がこれから先数年間に品種の改良に最も貢献する一派となるか、また、昨年ハノーバーヒル ホルスタイン牧場から購入した"ルル"と"ロキシー"のメンバーがこれからどう発展してゆくかを夢に描いている。

    将来がどうであれ、今までに構築したコムスター ホルスタインの実績を否定するものはなにもない。働き詰めの結果の積み上げであり、衰えを知らぬ改良への情熱である。人工授精業会、ホルスタイン協会、ケベック州ホルスタイン協会に所属する優秀な指導者達に負うところ大である。他の人達と協力し合う気持ちと努力。中でも最も大事なことは、一生変わらぬ目標、即ち"バランス ブリーディング(高能力と長寿の体型)"の哲学。これこそが、コムスター ホルスタインを成功に導いた原動力であり、これからもそうあり続けるであろう。

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