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  • アメリカにルーツをもつカナダ種雄牛の母

    (ホルスタイン ワールド誌 2001. 2月号)

    サマーシェイド アイリーン スコットは最近カナダのLPIリストトップ100位中の上位50頭の中に4頭の息牛を持つ。彼女はカナダ生まれ、カナダで所有されているがその遺伝子はアメリカのものだ。

     「バイアウト政策は我々にとって素晴らしいことだった。我々はそのことについて貴国政府に感謝しなくてはならない」 奥さんのジェニーや家族と共にカナダのアボッツフォードで160頭の乳牛を飼うサマーシェイド農場を経営するビル ヴアン リーウイクスは冗談を言う。               

     「バイアウト」とは余剰ミルクの処理策としてアメリカの生乳生産者を廃業させる為に乳牛を買い上げる目的で企画された政府の政策だった。 その参加者は自分の牛群を、肉牛乃至は輸出用に転用し、廃棄して5年間は乳業界に戻れない仕組みであった。 この政策は今多くの人に失敗と思われているが、それにより最も利益を得た人は、自分の牛群に新しい異なった血統を加えることができたヴァン リーウイクスのようなカナダのブリーダーだったろう。 

     ヴァン リーウイクスはバイアウトが始まった1980年代のなかごろにその牛群を拡張していたが、 アメリカとの国境からたった15分の所にあったその場所がアメリカの牧場減少計画を最大限に利用できたのである。 この時期までは彼らは殆ど登録牛を持っていなかった。彼らが買った中に、 バイアウトプログラムに参加したワシントン州スタンウッドのオラン フャーリーが作り上げたカウファミリーの一員であるトラデイションを父とするET全姉妹のペアーが含まれていた。 その雌牛の祖母牛ハイムダル グレンデール インカ(VG88)は数頭の息牛がAIに繋養されていたが、母牛、マーストニーの娘はヴァージンヘファーとしてフラッシュされていたので未だ初産分娩もしていなかった。

     トラデイシヨンの活躍が顕著になるにつれてこの2頭の雌牛達も成長していった。 母牛はVG85を貰い最高乳量として30,920ポンド(14,000キロ)を生産し、 生涯乳量、138,000(62,700キロ)を超え、脂肪4.1% 蛋白3.3%を記録した。 彼女の同父母兄、ハイムデル ワシントンは、セレクトサイヤーズにリースされ、 同父母妹はVG88のクレイタスを生産し、この牛は数多く契約交配され最後に日本に売られた。 ボバを父に持つ妹は、オデッセイ チーフ マーク(VG89)と1980年代に活躍したもう一頭の優れた種雄牛の母牛となった。 その次の母牛はグレンデール アーリンダ チーフの娘でVG88金牌牛で、 その上がパクラマー アストロナウトの娘でVG86の金牌牛で生涯190,000(86,400キロ)を記録し、GP84フォンド マットの娘牛がそれに続く。

     ハイムダル トラデイシヨン アイリスETはサマーシエイド農場に永遠に遺産を残すことになる同父母姉妹の1頭で、 今やその牛群の三分の一は彼女にたどり着くことになる。アイリスは乳量30,000(13,600キロ)以上の記録を3回作り全部乳成分は高かった。 彼女の生涯乳量は、174,551(79,300キロ)、脂肪4.4% 7703(3,500キロ)、蛋白3.6% 6310(2,900キロ)であった。 フランスの人工授精所は彼女が2才令でGP80点しか持っていない時アイリスから出たブラックスターの息牛を契約したが、 その後彼女は余り魅力的ではなく、他の契約交配は少なかった。 何故なら彼女がVGになったのは7才令を過ぎてからであった。彼女は13才令で牧場を去った。

     「このファミリーにはしょっちゅうあることだ。彼女たちはあなたの為に成長してくれる。年令と共によくなるのであなたも益々好きになるでしょう」とヴァン リーウイクスは話す。 アイリスのVG86のジュラーを父に持つ娘牛は牧場に残っていて3才令で乳量32,000(14,500キロ)を記録し、ヴァン リーウイクスは彼女が最長寿の雌牛の1頭になるだろうと予測する。 アイリスとブラックスターの組み合わせで生まれたGP84のデーリーで首長の娘牛が今日までにこの家系に最も影響力をもった牛を生産した。 サマーシェイド アイリーン スコット VG87である。マスコットと交配され、アイリーン スコットの優秀繁殖牛としての能力は今や検定済AI種雄牛の息牛達を通じて確認されつつある。 2000年10月のカナダの遺伝評価によると、カナダで検定されたアイリーン スコットの最初の4頭の息牛は全部AIで活躍中であり、カナダのLPIブルリストのトップ100位中の50位に皆入っている。 ジュラーによる全兄弟サマーシェイド イグナイターET(EX)とサマーシェイド インクワイヤーET(EX)は第2位と第4位であり、 ベルウッドの息牛サマーシェイド B コントリビューターET(GP)は第3位にランクされ、そしてベルトの息牛サマ―シェイド ライヴァル ベルトET(VG87)は第50位にランクされている。

     下に示すのは、アメリカのPTAによるこれら兄弟のインターブルメイス方式による評価数値であり、TPIによるランクである。 カナダのLPI方式とアメリカのTPI方式の違いにより種雄牛はTPIでのランクで少し異なっている。 ライヴァル ベルト以外は全頭TPIでアメリカ上位100位に入っている。

    コントリビューター +2271M +71P +82F +1.24T 1648TPI
    インクワイヤー +1885M +49P +58F +2.28T 1555TPI
    イグナイター +1332M +39P +48F +2.28T 1466TPI
    ライヴァル ベルト +1187M +38P +20F +1.79T 1337TPI

     「カナダでは特異なカウファミリーです。アイリーン スコットをケイと比べない訳にはいかない」 アルタジェネティックスのサイヤーアナリスト,ポール ハントは言い、アメリカの無類の種雄牛の母牛ライスクレスト サウスウィンド ケイETを引き合いにだす。 「それはこれまで違った目標とルールで異なった土俵ではあったが、確かにリストのトップに息牛が3頭いることはアイリーン スコットを際立たせている。 加えてケイのように彼女はフリーストールの中で飼養されていて、雌牛にとって他の牛と競争しながら生きぬいていくことは大変なことだ。 特にカナダでは息牛がAIで検定を受ける前に大きなフリーストールの環境でテストされるカウファミリーは特異なことだ」とハントは付け加える。

     アルタジェネティックスはアイリーン スコットとRCマットの息牛を持っていて2001年2月の種雄牛評価成績公表に続いて供用されるだろう。 更にアイリーンとルークの娘牛やルドルフの孫娘牛達からの息牛も検定中である。 アルタジェネティックスはこのファミリーの若い雌牛に、約25頭の検定用種雄牛生産の為に契約交配しているとハントは言う。

     もうひとつアイリーン スコットの血統をカナダでユニークにしているのは彼女の父牛の積み重ねだ:マスコット X ブラックスター X トラデイション X マース トニー X グレンデール X アストロナウト X フォンド マット。  これに加えてジュラー、ベルウッドとベルト等現役の種雄牛の父牛と続くが、未だカナダ系の血液は入っていない。

     「インクワイヤーとイグナイターはカナダで彼女の息牛の中で最も人気がある。何故なら体型面の伝達能力が高いからだ。 我々はコントリビューターの精液販売量にも嬉しい驚きを味わっている。素晴らしい乳量だが、ジュラーの息子達程のフレームや体積はない」 と米国シーメックスのフランシス コステロは言う。人気の理由にはエアロスターやリンデイがその血統の中に含まれないこともあったとコステロは言い、 LPI上位の種雄牛にはこれらの傑出したカナダの血統が入っていると語る。コステロに依ればカナダのLPIトップ10位の種雄牛は通常アメリカでもよく売れ、 サマーシェイドの種雄牛も例外ではない。カナダ国内でのこれらの種雄牛に対する高い需要は輸出向けの供給余力を制限し、 結果としてアメリカでの価格をあげる。経済状況が亦アメリカへの販売を限定するだろうとコステロはいう。  安い乳価のもとでは多くの生産者は$30の雄牛はとても使わないだろうとコステロは言う。


    一貫して続く生産能力

     アイリーン スコットの血統の中で良く知られた種雄牛のうち彼女自身の父牛マスコットが今日の市場で最大のハードルになっている。  然しアイリーン スコットを見たことのある人の一般的な意見は「彼女はマスコットの娘に見えない」だ。 「アイリーン スコットは一般のマスコットの娘牛に比べるとはるかに鋭角的で乳用特質に富んでいる。 良質の骨の肢蹄をもっている」とこのカウファミリーのメンバーと仕事したことのあるセレクトサイヤーズのサイヤーアナリストのロン ロングは言う。

     「アイリーン スコットとその一族の牛は付着の強い形状の良い良質の乳房を持っている」とウェストジェンのサイヤーアナリスト ゴードン スーターはいう。 「ここでの教訓は、我々がマスコットのように問題のある種雄牛に対して一寸批判的すぎる事だと思う。そのような種雄牛の娘牛であっても自分の弱点を克服できる強いカウファミリーが背景にあれば種雄牛の長所を引き出せる」と。

     高い産乳量はアイリーン スコットの息牛、娘牛、孫娘牛達によって証明されたこのカウファミリーに一貫して受け継がれている資質だといえる。 この雌牛達は必ずしも泌乳曲線のピークが高くないとヴァン リーウィクスは指摘する。「このファミリーは全泌乳期を通じて継続して産乳力がある」と。 アイリーン スコットの系統は食欲旺盛で"維持費の安い"雌牛である。彼女達は胴伸びがあり、肋が開張し前肋の充実した牛だが、 時々後肋の充実を欠き中には少々直飛気味な牛も居る、とヴァン リーウィクスはファミリーの一般的な特長について述べている。

     「乳房は素晴らしい懸垂の靭帯をもち、乳頭の配置も抜群である。本当に沢山泌乳している時は乳房は理想より大きいが、このファミリーの場合は搾乳完了時は、常にしぼんで良い形に戻る。 そんなに大きく変わるなんて考えられないだろう」とヴァン リーウィクスは言い、彼は乳房についての最近の体型審査システムは本当に高い産乳能力のある雌牛には合っていないと思っている。

     簡単に言うと、ビル ヴァン リーウィクスの繁殖哲学は高い生乳生産能力に適当な体型である。 彼の意見によれば、適当な体型は機能的な乳房と肢蹄で始まり、そして長く開張した肋と体の幅と強さが必要である。 このゴールをめざした繁殖の結果、世界中からアイリーン スコットの息牛達を求められアイリーンの遺伝力はジュラー、RC マット、ルーク、ベルウッド、ベルト、ドンビネイターそしてコンビンサーとの交配による子供達で証明されている。

     「このファミリーで沢山フラッシユをやり多くの娘牛を生産し、その中には我々のプログラムに向いてないのもあったが全く悪いのはなかった」とヴァン リーウィクスは言う。 「購入した雌牛を注意深く観察した結果、カウファミリーの良し悪しは良い牛ではなくむしろ悪い牛を何頭だしたかに注目すべきだということが分かった。 私は確実に伝達力のあるファミリーがほしい。アイリーン スコットのファミリーは終始一貫して悪いのをださない私が経験した唯一のファミリーだ」と。 アイリーン スコットは現在11頭の体型審査された娘牛がいる。VGが5頭、GPが6頭である。殆どが30,000(13,600キロ)に近いか、 超えた乳量だ。インクワイヤーとイグナイターの同父母妹は2才でVG86 29,000(13,000キロ)のレコードをもつ。 ノースカロライナのランドルマンに在るバトケ デイリー エンタープライズに所有されている。 サマーシェイドにいる彼女のフォーメイシヨンの娘牛は2才でGP83でファミリーの高い産乳性を継いでいる。 種雄牛の母牛になった他の娘牛は、メイソンを父に持ちVG86でアボッツフォードのシダーウオールファームにいる。

     多分最も傑出した娘牛はサマーシェイド アイスブレイク ルーク(GP83)で、 その記録は4?06 331日 36,588(16,600キロ) 3.4% 1248(570キロ)f 3.1% 1127(510キロ)pだ。 彼女はカナダの以前のLPI#1の雌牛で、14頭の息牛をアメリカ、カナダ、フランス、ドイツ及びスペインのAIに入れている。 多くのファミリーのメンバーのようにアイスブレイクは良いフラッシュカウだったしそのエンブリオの半分以上は輸出されていた。 アイスブレイクは数頭の将来有望な娘牛をもっていて、そのなかにはマーテイーやブロックの娘牛がいる。 アイスブレイクには3頭のET同父母姉妹がいる。1頭は英国に輸出されそこでVG87をとった。  もう1頭はVG86で、GPのベルウッドの娘牛をもち、彼女は3才で34,323(15,600キロ) 1235(560キロ)f 1060(480キロ)pを記録し、 4番目はGPで2頭の素晴らしいルドルフの娘牛をもっている。

     アイリーン スコットの同父母妹の孫娘牛も、ルドルフを父に持ち注目を集めている。 彼女は2才令でVG86のスコアをとり、最初の泌乳期に300日で26,000(11,800キロ)以上を生産している。 ヴァン リーウィクスは、このカウファミリーの一族として150頭を現在もっており、 その内の90頭はアイリーン スコットの娘牛か孫娘牛である。然しまだ充分でないことはあきらかだ。 このカウファミリーに対する信頼と如何にこのファミリーを使っていくかの経験と知識がアイリーン スコットの息牛達を自分の牛群内で重点的に使わせてきたのだ。

    サマーシェイド アイリーン スコット (VG87 カナダ)4?03 365日 33、093(15,042キロ) 4.1% 1358(618キロ) 3.5% 1171(532キロ) 彼女の4頭の息牛はカナダで供用中であり、そのうちの3頭はカナダでLPI上位4頭に入っている。又今日までにVG5頭 GP6頭の娘牛を生産している。

    母: (父:ブラックスター)GP84 32、957(14,980キロ)3.4% 1093(496キロ)f 3.3% 1093(496キロ)p
    祖母: (父:トラデイシヨン)VG85 32,227(14,650キロ)4.0% 1303(592キロ)f 3.4% 1107(503キロ)p
    生涯174,551(79,341キロ)
    曾祖母: (父:マース トニー)VG85 30、920(14,055キロ)4.1% 1265(575キロ)f 3.3% 1066(485キロ)p
    生涯138,000(62、727キロ)
    高祖母: (父:グレンデール)VG88 金牌牛 (ハイムデル ワシントンの母牛)
    その上: (父:アストロナウト)VG86 金牌牛
    生涯190,000(86,363キロ)
    その上: (父:フォンド マット)GP84
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